2011/09/30

深夜のコンビニエンスストアは、何故だか不思議な人が多い。

この傾向は白昼では人前に出たがらない方々が来店するからなのか、
もしくは夜中に人のストレスが吹き出す何かしらの要因があるからか、
単純にそうした人々と遭う確立が高いからか、俺。
昨夜のコンビニエンスストアで・・・



オカマが居た。


いや、別段オカマが居たとて大して驚く事じゃなし、
基本的に自分にチョッカイ出してこなければ、
特別な嫌悪感すら抱いていない、俺。
ただ、まぁ昨夜のは容姿が凄かったんだよね。

ゲイ・ホモ・ニューハーフ・オカマ・同性愛者・性同一性障害・・・・
呼び方は色々あるし、種類も様々らしいが、
そこんとこの棲み分けがどうなってんだかは詳しくない。
そんでもオカマと呼ばれる方々は、
女装趣味+同性愛者と女装趣味だけの二手に分かれるらしい。

その昔、ゲイの友人がいたがソイツは女装の趣味は無かった。
その昔の一歩手前、女装趣味の友人がいたがソイツは男に興味は無かった。
その昔よりも今に一歩手前、ニューハーフと知り合ったが完全に改造してた。
オカマ(女装趣味+同性愛者)の知り合いは居ないので、
生態系がいまいち解らない、俺。

でもって、話を昨夜に戻すと、
いつもの様に仕事の合間にコンビニエンスストアに煙草と珈琲買いに。
普段はそこのコンビニに深夜に来る客といえば、
呑んだ帰りのサラリーマンか、暇そうな学生風情。
たまに通りがかりの変なオッサンとかオバチャンがいたりもするが、
基本的には深夜にオカマの様な水商売系は見掛けない。

誰でもコンビニエンスストアぐらいは立ち寄った事があるとは思うが、
だいたい店内の陳列棚の高さは、日本男性の平均的身長だと、
目線〜頭が見えるぐらいの高さになっていて、
よほど身長が高くないと顔全体が奇麗に見える事は無い。

俺は何列かある商品棚の一番奥に在る、
飲み物が置かれている冷蔵棚のトビラを開けて、
珈琲を取り出しレジで煙草を買おうかと振り返った。
そこに・・・・

商品棚からリーゼントが飛び出してた。

正確には、

金髪にピンクの髪が混ざって
  完熟じゃない桃みてぇな色の
    凄ぇ高さのリーゼントが飛び出してた。

しかも、顔はまったく見えずにリーゼントだけ。
(高さ推定35CMぐらい)

自分もたまにリーゼントにする事があるので、
あのサイズの高さにするには相当な苦労があるのは知っている。
大したヤツがいるもんだと、
商品棚を回り込んで顔を拝んどこうと思った、俺。

よくある話だが、男性は女性の後ろ姿や声、
果ては服装や髪型から、その女性の顔を想像する。
女性もそういった癖があるかどうかは男なので知らんが、
良くも悪くもその想像を超えた顔が見えると、
裏切られた感じがするという。
まったくもって失礼な話でしか無い訳だが、
完熟じゃない桃みてぇなリーゼントを見た俺の脳内には、
幾通りかの顔と服装が浮かんでいた。

商品棚を回り込んでまじまじと顔を覗き込もうかと思っていたら、
向こうが商品棚の列を抜けて、レジへと顔を出して来た。


・・・・・・・武田鉄矢じゃん。

スッゲー化粧の濃い金八先生じゃねーか!!

もう、裏切られたって感覚よりも、
不思議さが募って来て、コンビニエンスストア内に流れてるBGMよりも、
頭の中では勝手に「贈る言葉」が流れてる。

その、着物姿の3年B組坂本金八が甲高い感じの猫なで声で、
レジのニイちゃん(中国籍の方で、よく注文を間違う)に煙草を注文し、
案の定、言われた銘柄と違う煙草を差し出したレジのニイちゃんに

「ちがうわよぉ〜、そのとなりのとなりぃ〜」

とかキンパッさんは仰っておられまして、
着物姿と猫なで声と香水とアルコールの交じった加齢臭。
明らかに水商売系の店で教鞭を振るっておられるのでしょう。
これは写真の一つでも撮らして頂こうと思い、携帯電話を出したが、
基本的なルールとして無許可で人を写真を撮らない事にしている、俺。
ここは素直に写真撮ってもいいですか?と聞くが、

「やだぁ〜高いわよぉ〜、それに携帯なんかじゃ嫌ぁ〜」

とか、だいぶ酒も入っている御様子ですが、
とても「人という字は、人と人とが支え合って出来ております」
なんて事を教育された方とは思えない様な御言葉。

そんな折、金八先生の携帯電話が鳴り、
(着メロは、母に捧げるバラードじゃなかった)
相変わらず猫なで声で話しながら会計し、店外へと消えていった。

惜しい事をしたなと思いながらも、
この界隈の生き物なら、いずれ何処かで遭遇するだろぐらいに思い、
レジで会計を済ませ店外へ、俺。

コンビニエンスストアから工房までの間には、短い横断歩道があるのだが、
深夜の時間帯は歩行者も少なく通り掛る車が一時停止する事はまず無い。
なので、コンビニエンスストアを出て車が走っていると、
必ず歩行者の方が一時停止するはめになる。

この時は左から車が走って来ていたが、
横断歩道までは距離があったので、一時停止せずに歩いていた、俺。
右斜め後ろから、先程の金八先生が猫なで声で話す声が聞こえる。
どうやらまだ携帯で会話中の模様。

横断歩道を渡り切ろうかって時に、後ろから小走りの足音が聞こえた。
どうやら金八先生が横断歩道を渡ってらっしゃる御様子。
もう一回、写真撮らせてくれって頼もうかなって振り向いた時。
・・・・・・

カッカッカッカッ、ズザァーッ!!
見事なスライディングでコケる金八先生!!!

「いってぇぇえええ!!クッソ、いてぇえぇえぇぇえ!!」

ものすげー、声が野太いんですけど・・・・・・・。

「大丈夫っすか?」と声を掛けようとした、俺。
しかし、それよりも早く金八先生ver.半熟桃リーゼントは、
口元で人差し指を立てながら、


「誰かに言っちゃ、ダ・メ・ヨ♥」


・・・・・無理です、俺。
今、ここでこうして全世界に向けて発信しています。
昔っから教師に言われた事を守った試しが無いが、今でも無理です。


ゲイとかホモとかに興味はねぇが、
あの金八先生が働いてる店があるなら、
一度くらいは覗いてみたいと思った9月の終わりだった。